脱社畜美容師として日々サロンワークをのんびりと楽しんでいる私ですが、脱社畜美容師の前には大型~個人規模まで、いくつかの美容室で働いてきた経験があります。
一般の方から見ると美容師という仕事は今も「華やか」「やりがいがある」と思われがちですが、現実は労働基準法を守らないブラックな労働環境が非常に多いというのが現状です。
「でもそれって昔の話でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、試しに【美容師 辞めさせてくれない】なんてYahoo!知恵袋で検索してみてください。近年の投稿日でも、いまだに退職を伝えても辞めさせてくれないなんて美容室があるのも現状です。
この記事は今現在も美容室の
- 「毎日12時間働いて残業代ゼロ」
- 「休憩が取れない」
- 「有給を使わせてもらえない」
- 「辞めさせてくれない」
といった労働基準法を無視した美容室で働いていて悩んでいる方に、脱社畜美容師として日々のサロンワーク、ライフスタイルを自由に過ごす私自身の経験と、アドバイスを伝えられたと思っています。
法律は専門外なので、主観的な意見が多いと思いますが、できる限り間違いのないよう気をつけていますので、悩んでいるあなたの参考になればとお思います。
美容師と労働基準法の関係、違反が多いのは本当?
労働基準法は、すべての働く人を守る最低限のルールです。もちろん美容師には適用されないとか、美容師は例外なんてことはありません。
労働時間と休憩
- 労働基準法では、1日8時間・週40時間が上限 ※
- 6時間を超える労働には45分、8時間を超えるなら1時間以上の休憩が必要
私が初めて入社した大型美容室では、お昼休憩は【30分】と定められ、電話予約対応をするために電話の子機を持って控え室に入るよう決められていました。当然外に何か買いに行くこともできず、拘束されているので休憩とは言えないものでした。これ法律的にはアウトなのです。
残業代と休日
- 時間外労働には25%以上の割増賃金が必要
- 休日労働は35%以上の割増
- もちろん有給休暇も労働基準法で保障
これも私の実際にあった経験ですが、美容室で雇われで働いていたころ【有給休暇】について聞いたところ「美容室は普通有給休暇ないよ。」と真顔で当時のオーナーに言われました。当時のオーナーは完全に労働基準法と美容師は関係ないと思っているような方でした・・・。
他にも実際に働いてきた美容室では「残業」という概念はほぼなく、すくなくとも私自身は、拘束時間が発生する強制のお店のミーティングや、営業時間がおしてしまった場合でも残業代が支給されるというはありませんでした。当時の業界の空気感としては「当たり前」という感じでした。
「訴える」ことはできる?労働基準監督署の役割
「労働基準法違反じゃないの?訴えられないの?」と思う方もいるかもしれません。
実際、美容師が労働基準法違反で労働基準監督署に相談するケースは増えています。厚生労働省のデータによれば、毎年数万件の相談が寄せられており、美容業界も例外ではありません。
ただし現実には、
- 監督署に相談しても改善までに時間がかかる
- 職場にバレて人間関係が悪化するリスク
- 結果的に働き続けるのがつらくなる
こうした壁があるのも事実です。実際私も労働基準監督署に雇用契約書の内容についての相談をしに行ったことがありますが、あまり親身に話を聞いてもらうことができなく歯がゆい思いをして帰ったという経験もあります。
ブラックな労働環境があきらかな場合は迷わず辞めましょう
あなたが今働いている美容室がどう考えてもブラック労働で、精神的、肉体的にもきつい!という場合は、迷わず辞める事をおすすめします。はっきりいってあなたの貴重な人生の時間が無駄になってしまいます!
昔のように【就職した会社には一生ご奉公】なんて考えや、【一度辞めてしまうともう就職できないんじゃないか・・・】なんて不安もあるかもしれませんが大丈夫です。
美容室は全国で274,000件もあります。(令和5年度 厚生労働省 令和5年度衛生行政報告例の概況 より)私も現在にいたるまでに2年未満で4回美容室を変えきた経験があります。でも当時ですら再就職に数ヶ月もかかる、なんてことはありませんでした。
そしてここからが本題です。決意を決めて退職の意思を伝えたのに、様々な理由や脅し、で【辞めさせてくれない】なんて時にどうしたら良いか?
結論と私の経験から言うと、「退職代行」を使うことをすすめます。
「退職代行」という選択肢がある
退職代行とは、本人に代わって会社に退職の意思を伝えてくれるサービスです。
※詳しくは下記の記事も是非参考にしてみてください。
なぜ退職代行をすすめるのか?
これは私の経験からくる理由が主になりますが、大きくまとめると
- 上司やオーナーに直接言わなくていい
- チャンスを逃しにくくなる
この二つが最大のメリットになります。
上司やオーナーに直接言わなくていい
あなたが、今の美容室を辞めたい場合というのは、肉体的にも精神的にもまいっている場合や、給料や休日、その他待遇に不満があることがほとんどだと思います。
そんな状態というのは少なからず、あなたが勤務している美容室のオーナーや上司との関係が良好とは言えない状態であるはずです。私もそうでしたし、当時働いていたスタッフもそうでした。
そんな状態で意を決して退職届を出し、退職の意思を示しているのに、
- 辞めさせてくれない
- 「損害賠償で訴える」などと脅してくる
というオーナーとは、まともに話しあうことはできませんし、精神的にもっときつくなります。そしてそんな状態で辞めらるまでの期間仕事もしなければなりません。さらに、辞められるかわからない状態では就職活動もできません。
チャンスを逃しにくくなる
いくら美容室の件数が全国で270,000件もあるとはいえ、あなたが「ここで働いてみたい!」と思える美容室は非常に少ないはずです。
そんな美容室が見つかって、次は「そこで働いてみたい!」と面接も受けに行きたいのに、
- 退職日に退職できるかわからない
- 退職をダラダラと先延ばしにされる
なんてことになってしまったら、面接も受けに行けず、最悪募集もなくなってしまう・・・という感じにチャンスも失ってしまいます。
退職したいけど「言えない」美容師は多い
美容師の離職率は高く、厚労省のデータでも3年以内に半数が辞めると言われています。私も新卒で最初に入社した大型美容室では同期が30人以上いましたが、半年後には半分程になっていました。
そしてその中には辞めることを悩んで「辞めたいけど言い出せないでいる」という同期や、美容業界あるあるかもしれませんが、何も言わずに「バックレる」という人も何人もいました。
【筆者の意見】美容師は「根性」よりも「自分の人生」を優先すべき
ここまで「美容師と労働基準法」「退職代行」という流れでお話ししましたが、最後に私の経験に基づく意見を。
よくあるきれいごとを言えば、美容師という仕事は、お客様を笑顔にでき、何より「ありがとう。」と言ってもらえる、やりがいのある仕事です。でも、それとブラックな労働環境で苦しむことは別問題です。
もしあなたが「もう無理!限界!」と感じているなら、
- まずは労働基準法を知る
- 改善されないなら退職代行も検討する
という感じで未来を見ましょう。
経験から言わせてもらうと。あなたがどんなに今の美容室であなたが望む環境になるようにオーナーに提案をしても、あなたが望む環境になることはほぼないと思います。無理に変えようと頑張るくらいなら、自ら環境を変え、あなたが気持ちよく働ける美容室を探すことを頑張るほうがよほど有意義です。もちろん経験が充分であれば独立も視野に入れると良いでしょう。
そして、もしも辞めたくてもやめられないなんてことになった場合は、精神的な負担を軽くするためや、チャンスを逃さないためにも退職代行を検討して時間も無題にしないようにしましょう。
まとめ:労働基準法を知り、チャンスを逃さない為の選択も考えよう
- 美容師も労働基準法で守られている
- 違反が続くなら労働基準監督署に相談できる
- 時間とチャンスを無駄にしない為にも、退職代行という選択肢がある
私も今までにいくつかの美容室をわたってきましたが、本当に信じられないような事を言ってくるようなオーナーもいました。もしもあなたが今働いている美容室で、あなたが「もう無理だ」と感じ、美容師を続けようかも悩んでいるときは、少し大変かもしれませんが、まずは環境を変えてみましょう。
そして時間とチャンスを無駄にしない為にも、退職がスムーズに進まない場合は退職代行という選択肢もあることを知っておきましょう。有限なあなたの時間を無駄にしない為にも、退職代行を利用するのは決して恥ずかしいことではありません。